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国内〜世界各地におけるメディアアート(時々現代美術)のアレコレを、待望の第一子「坊や」の成長と共に追いかけます!
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まだお腹が大きいころ、
子供が生まれたらリンツに行こう、パリにも連れて行こう、
けれど最初に行く美術館はどこだろう、と考えていました。

答えは、伊丹市立美術館でした。

ちょうど私の実家に近く、坊やが2ヶ月になってそろそろ外へ、と思っていた所へ
おもろい展覧会名のチラシが手元にあったので、行ってきました。


中原浩大さんは京都芸大出身で大ぶりのレゴブロックの彫刻作品が有名ですが、
今回の展覧会はドローイングと制作メモが主な展示物で、
小ぶりな美術館によく合う、制作の契機を覗かせるような形態でした。

前世代を踏襲、あるいは覆しながら連綿と続いてきた京都芸大の流れの中で、
恐らくいち世代としてある、無意識下に沸き上がる形を掴むような、
「自分の意志との断絶」が反映された作風。

数ある展示作品の中でとても愛しく思えたのが、
中原さんが自分の子供を紙の上に置いて10日ごとにトレースした作品。
自分に子供が出来たからこの展覧会を選んだ訳ではなかったのですが、
思わぬ出逢いでした。
ピコピコと左右に伸ばされた手足が、何とも危うげです。


肝心の坊やは何だか眠そうだったので、広々としたロビーで寝かせておいてもらいました。
目の焦点が合って、作品をじっと見つめられるようになるまで、あと1ヶ月ぐらいかな。




会期は今週末まで。
図録も出来上がったばかりです。
ぜひ。

====
中原浩大「コーちゃんは、ゴギガ?」

http://www.artmuseum-itami.jp/2012_H24/12nakahara.html



会期|2012年9月22日(土祝) - 11月4日(日)
休館日|月曜日、(ただし10月8日は開館、10月9日は休館)
開館時間|午前10時 - 午後6時(入館は午後5時半まで)
入館料|一般500(400)円、大高生250(200)円、中小生100(80)円  
*( )内は20名以上の団体料金

====

追記:
伊丹市立美術館はちょうど今、『美術館にアートを贈る会』と組んで
今村源さんの作品を受け入れ準備中です。
初夏の頃に会合で学芸員の方ともお話ししたばかりですが、
美術館の雰囲気と同じ、とても真摯な熱意に溢れた方でした。

詳細、個人協力(寄附)の方法などはこちら。
http://www.art-okuru.org/project/index03.html
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もう昨年度になりますが、
あいちトリエンナーレで上演された、石黒浩×平田オリザのロボット演劇「森の奥」に
私はたまたま知人の代理で行って、とっても良い席で見せてもらいました。

後日、大阪大学の学内発行誌から観劇記の寄稿依頼があって、書いたものです。





「森の奥」観劇記/PDFファイル




そして後日、大阪大学内の学生映像祭で『森の奥』の記録映像が流れることになり、
こんどは平田先生にインタビューしに行ってくれっ との依頼がありました。

打ち上げでも緊張してしまってろくにお話しできなかったし、こりゃあチャンスだぁーということで、
帰りの新幹線でオカンとモヤモヤ議論したメモを拾い上げながら、お話うかがってきました。


平田オリザ『森の奥』インタビュー /2010.11.12 @大阪大学



インタビュー内でも語られていますが、2011年アルスエレクトロニカ「origin」では、
すでにアンドロイド演劇『さようなら』の上演が告知されています。


ジェミノイドの記憶が濃く残っているであろうリンツで今年も、
行き交う人に指をさされる石黒先生の姿が見られるのでしょうか。



===


※観劇記のPDFは使用ロボット『ワカマル』についての説明を書き加える前のバージョンですので、補足は以下で……


【ワカマル】
・・・三菱重工が2003年に発表したコミュニケーションロボット。
人と触れ合う事を前提に、安全性にこだわった作りとなっている。発表以来、様々なイベントや店舗で案内係、プレゼンなどをつとめている。詳細は三菱重工のHPを参照のこと。
韓国のメディアシティソウル2010レポートを書く前に、今日行ってきたギャラリーの事をば少し。

オルタナティブスペース「アンフラマンス」での上田麻希さんの展覧会です。
坂根先生の「メディア・アート創世記」で初めて知った、匂いと記憶を繋げて展開する作家さん。

『慶応大学時代の私の教え子の一人であり、もう十年以上オランダに暮らす上田麻希は、数年前から匂いのアートに取り組んでいる。(中略)ベルリンの壁が崩壊する以前、東ドイツ秘密警察が解放を訴える人々を弾圧するため容疑者にある匂いをつけ、その匂いを手がかりに行動を監視したという。上田はその史実に基づいて、その匂いを再現するというきわめて政治的な表現に挑んだ。(中略)自然界の植物や昆虫などから匂いを抽出するというワークショップを行うなど、精力的を続けている。』【メディア・アート創世記/p.340】


twitterの書き込みからたまたま現在展覧会中なのを見つけたのでした。

素敵なギャラリー。
http://www.inframince.jp/index.html

『OLFACTOSCAPE においの風景』
 〜OLFACTORY TRAVEL IN TIME AND SPACE〜
 2010.10.2(土)〜10.24(日) 水曜日定休 OPEN…12:00〜20:00




本を読んだ上では、歴史や人の記憶をリスニングして考証・考察した結果『イメージされた匂い』を表現するのかと思っていたのですが、素材そのものをフレグランス抽出課程にかけて作っているそうです。アルコールに浸すとかかな。。。

じゃあ本に載っていた例の作品も、ユダヤ人の衣服を実際に、なのでしょか。

最近の作品は政治的なコンテンツからやや離れて、妊娠時に嗅覚が異様に敏感になったという体験を基に、普段の生活を満たす種々の匂いについて着目し共有するプロジェクトを世界各地で行っておられるようです。
写真の左寄りの壁から飛び出しているオレンジの旗がオランダのマッピング、ブルーが大阪のマッピングのピンです。匂いの名前と場所が書いてあります。

右手奥の壁際には、江戸時代の遊女が使用していた日本独自の配合による様々な化粧品や、体臭を操作する丸薬などが並べてあります。自己責任において全て体験(飲用)可能でした!

江戸時代、日本は鎖国中で、出島での国交を許されていた唯一の国がオランダでした。その商人達が日々触れ合っていたのが出島の中で見世を開いていた遊女だというエピソードからインスピレーションを受けての作品だそうです。

どれもすごい匂いでした。“臭い”に近いかも(汗
平安時代には燕のフンをシャンプー代わりにしてたというし、日本のスキンケアは時代を経てえらく潔癖になったものですな。。。


ちなみに上田さんの旦那さんはEdwin van der Heide氏。アンフラマンスの方が図録を見せながら教えて下さったのだけど、ヨーロッパ系のメディアアートフェスには常連のご様子、ICCに来られた事もあるそうです。私は覚えがなかったですが多分どこかで作品は見ているのかなー。
観客没入型・探索型が多いようで、ぜひ体験してみたいと思いました。

ググってみるとこちらのブログにEdwin氏との交流記が。→http://www.directions.jp/airartlog/aal037/
(AAL様失礼します。アルスの旅行記もあるのですね)



はて。
上田さんの展示は今日(24日)で終わりですが、グループ展になっている他のギャラリーはまだ続きます。大阪のギャラリー5ヶ所で展開中で、



↑ このように、ギャラリー正面に引かれるDutch Colorのラインが目印。

今日はこのほかに中津のパンタロンにも行ってきたのですが、建築模型の部品を壁にランダムに飾ってあるVincent de Rijkの作品が良かったです。ドバイのビル模型を作った時に出来た三角の水のカッティングが、波紋と光の影が何とも言えずリアルで、5分10分眺め回して帰りました。12000円、、、くぅ。



「生活とデザインの接点を探る」
オランダデザイン展 
DUTCH LIFE / DESIGN EXHIBITION in Osaka, JAPAN
主催:PANTALOON,navel 協力:graf,Toi,inframince,廣瀬康仁,吉行良平,中田文
協賛:オランダ領事館,モンドリアン財団,アサヒビール株式会社,山本香料株式会社

http://www.pantaloon.org/hoi.html



(モンドリアン財団、、、!?)
ナレッジキャピタル・トライアル、一日目のプログラムに行ってきました。
オープンからクローズまで。さすがに疲れました。







企業ブースには最新技術が展示され、体験もできましたが、
ほとんどの技術がSIGGRAPH2009の会場にも似たものがあり、その全てがSIGGRAPH展示物より劣っていました。
これは、とりあえずマズいと思った。
アートなら優劣は無いと言えるけれど、技術にはあるもな。


開会式はとにかくテレビカメラとスーツだらけですごい賑わいでした。
開会式を終えると各企業のトップや、市政・府政の役員たちは一気に会場を後にしました。

予約席は片付けられて、重要人物達はアルスのプレゼンを聞かなかったかも知れない。
その他のアート関連のトークプログラムを聞かなかったかも知れない。
取材カメラはもう向けられていなかった。

この、“引き”具合。

『ナレッジキャピタル』の存在意義とその内部におけるメディアアートの位置づけについてもう一度考えた。



アートとテクノロジーにおいて、“ハイブリッドな制作”だけを目的とするなら、それはすでに何十年も前から続けられている。
今、わざわざ場を設定されたところで、むしろ可能性は狭小になるとも考えられる。
でも私は、設備が揃い、実際に顔を突き合わせての“場”が有効に働いているところも見て来たので、今回のナレッジキャピタル内に出来るメディアアートのイノベーション・センターにも、そういった効果はじゅうぶん現れると思う。


「問題解決型」の研究を促進するデザインと、「問題発掘型」の様相を投げかけるアートの二大柱が、ナレッジキャピタルには必要だという話もあった。

確かに、デザインセンターなのか、アートセンターなのか、ということはあえて決めない方が良い。
前回の日記に書いたことに反して、ハードから構想を立てる事を楽しむアーティストがいるのも事実だし、
プレゼンテーションが実に上手くて、作品よりもその口でどんどん発表の場を拡げていってる作家もいる。
どちらも全く間違いではない。作品自体もおもしろい。

でも、ビジネスと技術革新を基盤として考える人たちが、“プレゼンしない作家”をその場から弾き出すようなら、それはとても困るのである。

海外で展覧会をしたやなぎさんや森村さんが、向こうでは作家の説明責任が重いのに驚いたと言っていたけど、私は、全ての作家が自分の制作について完全に語れなくても良いと思う。
表現の中には、制作の理由を語る事で、鑑賞が単なる確認作業になってしまうものもある。
インタラクティブ要素を含んだ作品は特に。

ナレッジキャピタルの目的を達成するために「すぐに世の中の何かの技術と結びついて、役に立つもの」以外を全て排除すると決まるならそれでもいいけど、私はあんまり嬉しくないな、と思うです。

×× ×× ×× ××

成功例として挙げられているアルスエレクトロニカ・センターをそのまま真似すればいいとは、会場の誰も思っていないようだった。
確かに、リンツが得た多大な集客には様々な理由と時期と立地とが絡み合っていて、同じプロセスは二度と踏めるものではない。

じゃあ、どういう実施例が最適なのか、考えてみると。。。

京都にある、文化庁の支援を受けている現代芸術中心の某センターは、そこで展示スタッフをやったことのある私も感じたことだけど、運営が何となく“緩い”。
それなのに、いつもかなり贅沢なプログラムで、気がつけば一年に何回も訪れている。
良い立地と文化的な建物を持ったとても有用性の高い場所に、誰の企画でもすんなり受け入れる余剰があること、使ってもらうための場として機能する姿勢が、あのセンターの魅力であり中核を為す力なのかも知れない。

それにならって、ナレッジキャピタルも、あの一等地をある意味で無駄に使うということを同時に考えてみたらどうなるんだろう。
イノベーションなり環境配慮なり癒しなり、様々な形に変容した有用性で隙間無く満たしてしまうのではなく、誰もが自由に使える、一見すると生産性の無い場所を一区画確保出来たら、創造・制作の場としては一気に強くなるかもしれない。

私はナレッジキャピタルにメディアアートの“場”が出来たら、とにかくコンテンツを沢山投入しないといけないと思ってたし、自分がそれに関わることになったら相当な企画力と推進力が必要だと思ってた。

でも実際は、立ち入り・利用可能の余白があってこそ長く続くのかもしれない。



一見空っぽな場所に意味を付加させるアートマネジメントが多発している中で、わざわざ建物を建て、そこに空っぽな場所をあえて作るというのはちょっと変に思うけど、大阪のど真ん中には“誰かの場所”しか無いからな、、、公園案って結構良いのかも。


http://www.go-lightly.org/main/2010/05/art-award-tokyo-marunouchi-2010/


ゴーライトリーさんのブログをトラックバック。


IAMASの松島さん(※1)の作品、『VOICE-PORTRAIT ~self-introduction~』が
「アートアワードトーキョー丸の内2010」(※2)のグランプリを取られたそうで。

確かにこれは単純だけど、とても同時代的で面白かったと思うです。
丸の内の地下通路という公の場で公開するにはもってこいかも知れないですね。

もしかしたらtwitterやYoutubeを多用してない人にはサッパリかも知れないけど、
それでも明らかに「何か変だ」と人を立ち止まらせる力があると思うから、
解説を読んで、謎が解けた時に快感を与えるタイプというか笑



(写真は卒制展のです)




※1
IAMASの卒業制作展を見に行ったときに出会いました。詳しくはこちら。
→http://newmedia.gg-blog.com/Entry/10/


※2
「全国美大の卒業制作展へ足を運び、ノミネートした作家作品から一次審査を通過した45名の作品を丸の内の行幸地下ギャラリーに一挙に展示し、アワードを決めるという展覧会で、今年で4回目」だそうです。
知らなんだー。
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プロフィール
HN:
M.Mayuko
性別:
女性
趣味:
撮影、聴講、展覧会ぶらぶら
自己紹介:
同志社女子大学/情報メディア学科にてメディアアートに出会い、
大阪大学/文学研究科文化動態論専攻アート・メディア論コース修了

メディアアートの鑑賞環境における誘導スタッフの重要性を唱え、
日本国内、ヨーロッパ、アジア等を視野に入れて調査をしてきました。
実践として、メディアアートの作品解説&体験誘導のスタッフ育成・監督を
下記のような展覧会で担当しています。

「生存のエシックス」@京都国立近代美術館
「ナレッジトライアル2011/アルスエレクトロニカブース」@堂島リバーフォーラム
「アルスエレクトロニカ大阪展/Poetry of Motion」@ブリーゼブリーゼ

また、メディアアートユニット「sz」の活動においても同様の仕事をしています。

2011年〜大阪大学CSCDの特任研究員を経て、
現在、2012年夏に生まれた第一子のお世話を始めたところです。

“メディアアート”という語の危うさ、移ろいやすさを念頭に置きながら、
相変わらず各国のメディアアート事情を追いかけながら、
子供の成長に目を見張りながら、
お風呂で毎日ドイツ語を頑張っています。
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